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本の紹介

地理学関係
環境問題など
その他
山で何かを勉強したい人へ (おまけ)


   小学生の頃から私は本を読むのが嫌いでした。特に「読書感想文」というものが苦手でした。 強制的に本を読まされて、強制的に原稿用紙何枚かの感想を持てというのはおかしい感じがします。また、主として小説などの作り話を読まなければいけないというのも嫌でした。 そんな私がこんなページを持つのも不思議ですが、 数少ない読書量の中からお勧めの本を紹介いたします。 「地理学関係」で紹介する本は、私が授業で扱っている内容に関連して、 特に読んで欲しいものです。多少は役に立つと思います。 ただ単に授業で引用しただけの物は、 授業関係のページの参考文献を見てください。 「環境問題など」や「その他」で紹介する本は、趣味的な物ではありますが、 宮本がどういう人間なのか、どうゆう考え方をするヤツなのかわかるかもしれません。



地理学関係

井出策夫・沢田裕之編 (1997) : 『くらしの地理』. 文化書房博文社, 2800円, ISBN4-8301-0793-6, 175p.
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   大学の一般教育の教科書として書かれた本で、 B4版と大きく、活字も大きく、 内容も読みやすい。「くらし」というのは、 衣食住に加えて、買い物や余暇など日常生活に関連した項目について、 地理学的に扱っているということだ。
   第1章の「所かわれば地理がある」では、 「地理学とは何か?」という疑問について 初学者の立場からも、とてもわかりやすく書かれていると思う。 この章をまず読んで、さらに下に紹介した『地理学への招待』の第1章も読めば 「地理学とは何か?」という疑問を、ある程度解決することができるのではないかと思う。



鈴木秀夫 (1978) : 『NHKブックス312 森林の思考・砂漠の思考』. 日本放送出版協会,870円,ISBN4-14-001312-5, 222p.
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   この本は地理学の専門書というより、 地理学的な考え方を理解することができる「読み物」と思った方がよいだろう。 前半は日本人とヨーロッパ人の考え方の違いになどついて記されており、 その根拠を宗教に求めている。 その宗教というのは森林地域で発生した仏教なのか、 それとも砂漠地域で生まれたキリスト教やイスラム教なのかということであり、 これらが表題の「森林の思考・砂漠の思考」を意味している。 砂漠のように見通しがきく所では、上から全体的に見通すのに対し、 森林のような見通しのきかないところでは、細かい考えになるということには納得できる。 地理学で重要な、「地図を読む」ということは、正に上から全体的に見通すことであり、 そのような思考方法を取るための参考になるかもしれない。
   宗教については「天地創造」という言葉を用いており、 無宗教の人にとっては取っつきにくい感がある。しかし、宗教を介さなくても 森林なのか砂漠なのかという地域別に人の考え方が変わりうるというのは興味深い。
   後半は、分布図を読みとる「分布論」の話だ。 日本国内における血液型の分布から 日本人の移住や混血の状況を読みとるということは、 まさに「分布図を読む」ことによってなされることだ。



鈴木秀夫 (1988) : 『講談社学術文庫819 風土の構造』. 講談社, 640円, ISBN4-06-158819-2, 245p.
鈴木秀夫 (2004) : 『風土の構造』. ISBN4-562-09079-0, 原書房, 1575円, 161p.
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   1975年に別の出版社から出された物が、 1988年に講談社学術文庫から出されることになった。 さらに最初に出版した出版社が倒産したために、2004年にはその会社を引き継いだ原書房から再び出ることになったという複雑な経緯がある。これらの内容は全て同一であり、つまり2004年に出版されている本も1975年の古い内容しか書かれていないと言うことである。しかし、それだけ好評であり、多くの人に読まれているということでもある。
   前半は鈴木先生の専門である自然地理学の 一分野「気候学」について書かれている。 とくに世界の気候や気候区分について多く扱われている。 現在でいう地生態学的な植生と気候との関わりをトロール先生の元で学んだ経験から、 「ケッペンの気候区分」の問題点を指摘している。
   気候区分の流れを引き継ぎ、後半では気候と人間との関わりという ハンチントン的な論議をしている。また地図を用いて分布と分布が重なるということに どのような意味があるのか(あるいは意味がないのか)考えることの 重要性を解いているようにも思える。このことは気候学、自然地理学ばかりではなく 他の地理学の分野にとって重要な考え方である。この考え方について、より詳しく、 西川治編 (1996) : 『総観地理学講座1 地理学概論』. 朝倉書店, 5040円, ISBN 4-254-16601-X, 268p. の中で「分布論と分布図」として書かれている。 しかし地理学を専門とする者以外には高価で内容もやや難しいかもしれない。



中村和郎・高橋伸夫編 (1988) : 『地理学講座1 地理学への招待』. 古今書院, 2500円, ISBN4-7722-1227-2, 196p.
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   この本は、地理学を専門としない学生、 一般教育や教員免許取得のために 地理学の科目を履修している学生向けに書かれた地理学の入門書だ。 しかし、従来の網羅的な本ではなくトピックス的な内容である。
   地理学を専門としない人には、 特に第1章の「地理学にとって地図はなぜ必要か」を 読んで欲しい。私の授業でもこの命題は必ず取り扱う。 私の授業は地図を読むことを中心に行われる。 小テストでは「略地図を描け」という問題が出る。 レポートがあれば、「必ず地図を用いて説明せよ」と課題が出る。 私がなぜそこまで「地図」にこだわるのか、この章を読んで理解して欲しい。
   高校で地理を取っていないで、大学で「地理学」に接すると、 中学校社会科「地理的分野」とは全く様相が異なって驚く人もいるかもしれない。 第4章の「地理学の伝統と革新」を読めば、 なぜ中学での「地誌的」な扱いを大学ではほとんどしないのかわかるかもしれない。



毎日新聞社地方部特報班 (1996) : 『県民性大解剖「隣り」の研究』. 毎日新聞社, 1500円, ISBN4-620-31093-X, 319p.
毎日新聞社 (1999) : 『PHP文庫 「県民性」こだわり比較事典―お国自慢からウワサの真相まで、気になる話題を徹底調査』. PHP研究所, ISBN4-569-57339-8, 580円, 319p.
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   日本国内の地域性、県民性について雑煮の中の餅の形や、 様々な商品の購買量、 血液型からマクドナルドの呼び方などを指標にしてトピックス的に記されている。 『「県民性」こだわり比較事典』は『「隣り」の研究』を文庫版にしたもので本文は同一内容だ。 しかし地理学にとって重要な「地図」が省かれてしまっている。 何とかして『「隣り」の研究』の方を 入手したい。



松本 修 (1996) : 『新潮文庫ま-15-1 全国アホ・バカ分布考−はるかなる言葉の旅路−』. 新潮社, ISBN4-10-144121-9, 781円, 582p.
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   朝日放送の「探偵ナイトスクープ」という番組に来た依頼 「アホとバカの境界はどこ」に対し 当時の上岡探偵局長がすばらしいテーマであると反応し、 その後特別番組を制作したときの話を中心に書かれている。 何も資料がない状態からどのように調査し、どのように分布図にまとめ、 どのようにその分布図を読むかについて、 わかりやすく体験談風に記されている。このように分布図について考えることは 地理学の分野の人間がするべきことだと思うのだが、 著者はテレビ局のディレクターとのこと。これには驚かされる。


NHK「地球データマップ」制作班編(2008) :『NHK地球データマップ―世界の“今”から“未来”を考える』. 日本放送出版協会, ISBN:4140812729, 1365円, 127p.
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   NHK教育テレビで放送された「地球データマップ」という 番組の内容を分かりやすく文章化したものだが、当然世界地図も多く掲載されている。 世界地図以外にも図表や写真、イラストなどが多用されていて、 中学生から高校生でも分かりやすい内容であると思われる。 しかし、扱われている事項は環境問題や紛争など社会問題であり、 大人でも考えさせられることばかりである。 地図を用いて現代世界の諸問題を考察するというのは、 地理の大きなテーマの一つなので、 この本を読むことによって地理を学ぶことの意義も 分かりやすくなるのではないだろうか。


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環境問題など

小川英之・清水和夫・金谷年展 (2004) : 『ディーゼルこそが、地球を救う―なぜ、環境先進国はディーゼルを選択するのか?』. ダイヤモンド社, 1680円, ISBN4-478-87101-9, 256p.
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   ディーゼル車というと黒い煙を吐き、 いかにも「環境に悪い」というイメージを持たれがちである。 特にどっかの都知事がペットボトルに詰めた黒鉛を記者会見の場でばらまいてからは、 そのイメージが強くなった人も多いと思う。 確かにディーゼル車は都市での大気汚染の原因であり、東京などの大都市ではディーゼル車規制は意味があることだ。 しかし、ディーゼル車はガソリン車より燃費がよい。 燃費がよいということは同じ距離を走ったときの二酸化炭素の排出量が少ないということだ。 このことから京都議定書を本気で守る気がある国では、ディーゼル車が増えているという事実があるらしい。 日本も本気で京都議定書を守る気があるのならば、 「ディーゼル車イコール悪」と決めつける風潮を、 政府をあげて改善しなければならない。
   菜種油などを燃料とした 「バイオディーゼル」は特にすばらしいと思った。 ディーゼル車は軽油を用いなくても食用油でも 走ることができるらしい。燃料となる菜種を栽培する際には、光合成をするので、二酸化炭素を吸収し酸素を生成する。 走行時には二酸化炭素を排出しても「収支」はゼロとなる。 (「菜の花プロジェクト」と呼ばれる活動もある。) バイオディーゼルは、新しい技術を必要とせずに、原油高騰などの社会情勢にも左右されないので、もっとアピールされるべきである。



武田邦彦 (2000) : 『リサイクルしてはいけない』. 青春出版社, 850円, ISBN4-413-01783-8, 219p.
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   環境のためにペットボトル、家電、パソコン、 自動車などのリサイクルが推進されている時代に、 何ともショッキングなタイトルだが、絶対にリサイクルしてはいけないというわけではない。 リサイクルに向いているものとリサイクルに向いていないものがあるということなのだ。
   この本では、価格を環境の指標にするという考え方を取っている。 価格には、ものそのものの値段と 、製造時や輸送等に使われるエネルギーの値段が含まれている。 この考え方によるとペットボトルはリサイクルに向いていないということになる。 というのは、分別のコストや輸送のコストがかかり、 再生ペットボトルは新しいペットボトルより高価であり、 この分別や輸送には当然それなりの燃料が使われているからだ。 燃料が使われれば、それが電気であっても、ガソリンであっても、 二酸化炭素を排出し地球温暖化に影響する。 人件費のことが考慮に入れられていないので、 この考え方が100%正しいとはいえないと思う。 しかし、とても実践しやすい環境に対する考え方ではないかと思う。 逆に、「環境に良いものならば高価なものでも購入する」という行動が、 いかに愚かであるかもわかる。


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その他

佐川 峻 (2000) : 『物理通になる本』.オーエス出版, 1365円, ISBN: 4-87190-868-2, 245p.
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   高校時代、私は物理という科目が嫌いだった。 厳密に言うと内容が嫌いというよりは、苦手だったから嫌いになった という方が正しいかもしれない。なぜ苦手になったかという理由ははっきりしている。 物理の授業がすべて5時間目であったために、眠さに耐えきれず、 ほぼ毎時間眠っていたからだ。 特に振り子の実験の時は、まるで催眠術にかけられているようだった。 また、私が眠っているときに、 私のいびきを利用してドップラー効果の実験をしたこともあるらしい。
   2004年、放送大学に入学して、17年ぶりに物理という科目に接した。 その際個人的に参考書として利用したのがこの本である。 利用法としては、この本で内容を理解してから印刷教材(教科書)を読むと良いと思う。 この本では、数式を使わずに物理の内容を理解させることに重点を置いている。 したがって、数式が苦手であるために物理が苦手になったという人にはお勧めできる。 最後の量子論や相対性理論についても大体どういうことなのか理解できる。 ただし物理の単位を取るためにはこの本を読んだ上に、 何らかの計算問題を解く練習も必要であることには変わりはない。
   物理的世界観という章の中の 「漠然とした問いを、具体的な問いに変換することが重要」という項目には 感動を覚えた。これは物理だけに当てはまるものではなく、医者でも自動車の修理屋でも、 「専門家、玄人、プロ」と呼ばれる人は必ず具体的な疑問、質問で対処すると書かれている。 このことについて、今まで出会った人と照らし合わせながらと、 「なるほど」とヒザをたたくことができる。



立川談志 (2000) : 『講談社プラスアルファ新書 食い物を粗末にするな―「並の日本人」の食文化論』. 講談社, 882円, ISBN4-06-272006-X, 235p.
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   HBCラジオの「カーナビラジオ午後一番」で実施していた 「カーナビエコパックキャンペーン」のゲストとして 立川談志さんが登場し、その中でこの本が紹介されていた。エコパックとは残った食べ物持ち帰るための 弁当箱、タッパー(これは登録商標か?)のこと。残り物を持ち帰るのは「はしたない」「貧乏くさい」と 感じる人もいるかもしれない。しかし、本当は「エコ」つまり「環境によい」ことなのだ。
   談志さんはこの本の中で、グルメと呼ばれる人たち、 食べ歩きをしている人たちを痛烈に批判している。 逆に自炊することを勧めている。 「腹をこわして下痢しても、残すよりまし」「吐き用の便器があっても良い」などの表現は 談志さん特有なものとも思えるが、これらも含めて私にはすべて共感できる。



橋爪大三郎 (2008) : 『橋爪大三郎の社会学講義』. 筑摩書房, 1200円+税, ISBN978-4-480-09147-5, 369p.
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   大学で地理学を専門としていると他人にいうと、「地理学って何?」と訊かれることが良くあった。地理学とはどうやら、一般の人々にはあまりなじみのない学問分野らしい。この本を読むと社会学もどうやら、漠然とした、一般の人にはわかりにくい学問分野であるらしい。社会学は、社会科学の一分野であり、その中で「どうゆう学問ではないのか」と説明することによって、社会学の立場をわかりやすく説明している。このような説明の仕方を利用すると、地理学の立場もうまく説明できるのではないかと、試したくなる。ただし、地理学は自然科学・人文科学・社会科学のすべてにまたがり、大学受験時にも、文系で受験する大学と、理系で受験する大学に分かれてしまう。この文系・理系という分け方の不適切さもこの本では指摘されている。「私は文系だから数学ができない」という良く聞く会話も、本来は「数学ができなかったから理系には進めなかった」というのが正しいということがわかる。
 社会学だけではなく、隣接分野として社会科学全般に関しても、わかりやすく説明されているので、社会科学系の学部に入学した新大学生に読んでいただきたい本です。


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山で何かを勉強したい人へ (おまけ)

   2005年9月、16年ぶりに開かれた高校の山岳部のOB回のために、長野県の入笠山へ行きました。そこでは私が地理学を研究していると説明したのですが、なかなかうまく説明はできませでした。高校の山岳部・ワンダーフォーゲル部などに所属する方で、大学で「山で何かを勉強したい」と考えている人には、ぜひ地理学を学んでもらいたいと思っています。しかし、私の下手な説明ではそのような気持ちをうまく説明はできません。そこで、下に紹介する本を読んでみてください。いずれも地理学を専門とする人が、山で研究した成果を、一般の人にもわかりやすく説明したものです。また、価格も安いものを選んだので、手に取りやすいのではないでしょうか。ただし、ここで選んだ本は、「山の地形」に偏っています。高山植物のことなどはあまり含まれていません。



小疇 尚 (1991) : 『自然景観の読み方3 山を読む』. 岩波書店, 1223円, ISBN4-00-007823-2, 147p.
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   山の形や雪国の山、周氷河・氷河地形など、山の地形に関して一通り、わかりやすい口調で書かれている。内容的には自然地理学の一分野である地形学に関係した内容であり、学術的な内容を含んでいるが、一般の人にもわかりやすく書かれていると思う。日本の山と世界の山との違いや、世界的に見ても積雪の多い日本海側などを意識した「雪国の山」について詳しく書かれているのが特徴といえる。また、山とのつきあい方についても著者の考えが最後の章に書かれており、自然環境の大切さもわかる。



小泉武栄 (1993) : 『日本の山はなぜ美しい』. 古今書院, 2730円, ISBN4-7722-1330-9, 228p.
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   著者が大学院の修士課程に入学してから、博士論文を書くまでの約20年にわたる山での調査について、体験談を交えながら書かれている。内容は高山植物など植生の話がメインだが、周氷河地形についても内容は豊富だ。ただし、一般の読者にとっては少し高度な内容も含まれている。しかし、全ては理解できなくても、山で調査・研究することの楽しさ・醍醐味は十分に伝わってくる。特徴的な内容としては、山での積雪分布のことだろう。積雪の偏在が、山の地形や植生のコントラストを産み出し、その結果、タイトルにもなっているが、日本の山が世界の山より美しく感じるのだろう。木曾駒ヶ岳と白馬岳の自然観察ルートマップも付いているので、実際にこれらの山に持っていけば、理解がより深まるのではないだろうか。



小泉武栄・清水長正編 (1992) : 『山の自然学入門』. 古今書院, 2730円, ISBN4-7722-1487-9, 178p.
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   日本国内で60の山について地形や植生に関わる内容をトピックス的に扱っている。著者が50人もいるので、高度な内容から一般的な内容までさまざまなであるが、一般の読者にも理解できるように努力はなされていると思う。また、各山とも1〜2頁の扱いなので、内容的にはとても全てを網羅できてはいないが、各山で最も特徴的な内容に焦点は当てられている。カラー写真も豊富に挿入されているので目で見て山の自然に触れることができる。



田代 博・藤本一美・清水長生・高田将志 (1996) : 『ヤマケイ登山学校15 山の地図と地形』. 山と渓谷社, 1529円, ISBN4-635-04185-9, 247p.
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   前半は地図の話、後半は地形の話と内容も著者も別れる。前半の地図の話では、地形図の一般的な説明、等高線の読み方、地形断面図の作り方、ルートマップの作り方などが扱われているが、これらは山ではなくても平地での野外調査にも参考となる内容である。また「山の地図」ということで、山での位置同定法、各県の最高峰、山頂からの展望図等も扱われている。後半の山の地形では、国内の14ヶ所の山域を選びだし、それぞれの山域での研究成果について完結にわかりやすく説明している。かなり詳しく高度な内容も含まれているが、山と渓谷社の本なので、一般の登山者向けの本である。全てを通して読むのではなく、実際に登山に出かける山についてのみ読めばよいのではないだろうか。その際には、該当部分のみコピーして実際に山に持っていくことを勧める。また、地図・図・写真などが豊富なので、視覚的に説明を理解することができると思う。



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